2007年10月27日

いじめ問題。

  中学一年の姪がいじめにあっている。
いつも明るく活発で妹夫婦の自慢の娘である。
夕餉の時刻を過ぎた頃、妹と一緒に姪が訪ねてきた。
疲れ切った表情の妹、いつもの元気がない姪に何事が起きたのか。
「どうしたの?何があったの?」
うりざね顔の姪の口許が歪みポロポロと泣き出してしまった。

ある日を境に仲良しグループだった数人のクラスメートから省かれ、
理由を問いただすと「うざい!」と言われ、陰口を叩かれ、
いじめがエスカレートしているらしい。
 他の者より目立った行動をしたり人気者になったりしたら妬み嫉みが
高じて輪の外に押しやってしまう集団の負のパワー。
 以前にはその仲間の一人を同様に省いたからきっと同じ目に合っていると
姪は言う。
 いじめられる立場になり改めてその辛さが身に沁みているのだ。

 学校から帰宅すると塞ぎこみ泣き出す娘にあれこれと解決策を持ちかけるが
逆効果になるから止めてほしいと云われ手出しが出来ずに悩んでいる。
それでも先生に相談したが埒があかない。
自分の子を守るのが親の務めである。
これ以上エスカレートする前に善後策をとらなくてはならない。
 「まさか、うちの子がいじめにあうとは・・・」妹は愕然としている。

 学校に設置されている『さわやか相談室』には絶対に行ってはいけないと
中学三年の息子はアドバイスしている。
 一度相談室に行くと“いじめにあっている”レッテルが貼られるから
益々いじめに合うというのだ。

 女子のいじめ問題は陰湿で表面的には見えない点が特徴らしく、
男子の喧嘩のように“殴られたら殴り返す”と単純な公式は当てはまらないらしい。

 「貴女を守る人は沢山いるのよ!」
 「堂々としてなさいな!」

私の励ましの言葉に姪は大きく頷いた。
少し元気を取り戻し帰り支度をはじめた姪にメールが入った。 

XX子、おっきい地球に住んでるな、その地球の中の小さい日本、
またその小さい中の小さい埼玉、またその小さいXX郡、
またその小さいXX町、またその小さいXX町の中の、XX中学校、
またその小さいクラス、またその小さいクラスの中の、女子だぞ!
へーだよね~! 世界は、おっきいぞ~!
ちっさい事に、振り回されるな。


「お父さんからだ・・・」 

目に涙をいっぱいため、
「がんばるから大丈夫!ありがとう」 と返信していた。

苦しい時、辛い時は周りの大人が支えてあげなければ小さな心は壊れてしまう。
いじめることも、いじめられることも心に大きな傷を負うことになる。

いじめ問題は学校の中だけではなく社会全体の問題として捉えていかなければならない。


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この記事へのコメント
いじめ、

自分がもし、 と思うと心が引き裂かれる思いがします。

姪さんがそんな時期ではないとは思いますが、社会人サークル等で見聞を広げてみてはいかがでしょうか?

少し冷静になって見渡してみれば ひとつに固執した世界が見えてき始めると思いますよ。
Posted by oh yeah! at 2007年10月27日 04:09
 
 そうですね。

 ひとつに固執していると外の世界がみえなくなりますね。

 姪に伝えたいと思います。  ありがとうございます。  
Posted by FLOSSAFLOSSA at 2007年10月27日 13:36
 私も同感です。いじめ問題これは、人間の本質を問う
問題ですね。

 とても素敵なブログです。
Posted by 草次郎 at 2007年10月29日 19:37
草次郎さん、こんばんわ。

コメントありがとうございます。 
ブログ拝見しました。 草花が素敵ですね。
Posted by FLOSSA at 2007年10月30日 19:46
いじめ問題は根が深いと思います。昨日、異文化コミュニケーションの講義で見たNHKドキュメンタリー青い目・茶色い目「教室は目の色で分けられた」を思い出しました。

内容はこちらです◇『1968年、米アイオワ州の小学校で一人の教師の提案により人種差別についての実験授業が行われた。クラスを「青い目」と「茶色い目」の児童に分け、2グループの間に優劣を決めて一日を過ごさせ、翌日は立場を逆転させた。差別される側の気持ちを実際に体験し、児童たちの人種差別に対する考え方を変えることが目的だった。実験から16年後、教師と大人になった児童たちが集い、当時の実験授業の映像を見て、その時の心境などを語り合った。また、教師は教職を退いた後、全米各地の刑務所や企業でこの試みを行い、人々に人種差別と向き合わせた。』ビデオの最後で教師は述べています。差別問題は頭で理解できるものではない。差別される側に立って初めて理解できるものだ、と。
いじめの根っこにある差別意識をなくさなくては、いじめの根本解決にはならないと思います。日本の学校でも是非、取り入れて欲しい授業だと思いました。この授業に参加した子供達は、全員素敵な大人に成長していました。

ちなみに、YouTubeでも配信されているので、是非、姪っ子さんとご覧になってみてください。

長くなってすみません。
Posted by kohama at 2007年12月03日 14:05
 
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